仲介手数料のちょっとだけ深いお話し。。。
皆様の熱い応援のおかげで一瞬ですが久しぶりにこの上層階の金融・投資ブログランキングでも1位取れましたw
こんにちは。
最近、ちょくちょく受ける相談の中で「仲介手数料」に関する相談が増えてます。
特に多いのがワンルーム系の区分レジを買った人からで
①仲介経由で提案のあった物件をいつの間にかこの仲介さんと契約することになった
②よくあるサンタメ契約なのかな、、と契約したらこの仲介さんから仲介手数料を請求された
ってやつ。。。
そもそもこの仲介手数料ってのは「仲介業務」に対する「報酬で」ですので昨日まで仲介でやってた業者さんが「この物件、売り主から安く買い取って中間省略して買主に買わせれば結構サヤ抜けんじゃね?」とサンタメ契約に急遽変更しちゃうと宅建業法上、この時点でこの仲介さんは売主へと変貌します。
売主が買主に直接物件を売るわけですから当然、「仲介業務」は消滅し「仲介手数料」も同時に無くなるということになり今までいくら仲介として動いてくれた業者さんであってもこの時点で仲介手数料を買主が払う義務はなくなる、、、ということになります。
ただ、これを仲介さんがどう理解してるのか知りませんが「途中まで仲介だったんだから仲介手数料が発生します」と買主さんを意味不明な説明で丸め込み公然と仲介手数料を請求してるってケースがあるようでワタクシ、相談された人には「「これって宅建業法に抵触してますけど、、なんで手数料取るのか教えて欲しい」って聞けば気が付いて「あ、そうですね(テヘ)」とか言うはずですよ」とアドバイスしてますが、やはりプロである不動産業者に自信たっぷりに言われると「あ、これでも仲介手数料掛かるんだな」と思い込んじゃう傾向があるのかなと思ってしまいます。
それとは別に「「仲介」と「媒介」って何が違うの?」って質問も来るのですが、
これは基本的に同義語で業者は「一般媒介」とか「専任媒介」と仲介のことを「媒介」と呼んでるので媒介と表現してるだけじゃないかと思います。(一説には売買の場面では媒介と呼ぶとか客付け業者が媒介することを仲介って呼ぶんだよと諸説あるようですが正直、どっちで表現しても構いません。
それともう一つ、
不動産契約では先ほど話した「売り主(賃貸の場合は貸主)」と「媒介(契約書面等では仲介と言う表現が無いので媒介と書きます)」ともう一つ「代理」という立場があります。
代理。。。?
この代理と言う立場、、
一般の投資家さんが収益物件を買うケースではあまり登場しない立場なのですが賃貸の契約ではちょくちょく登場します。
何かというとこれは売り主や貸主から「契約に対する代理権」を貰って売ったり貸したりしてる立ち位置のことを言うのですが、この立場は買い主や借主から見ると売り主や貸主と同じ立場と言うことになるのでこの物件を取り扱う不動産屋さんは媒介(仲介)ではなくなり売り主同様、買い主、貸主には仲介手数料は発生しません。
業者側ではこれを「代理6%」とか呼ぶんですが、要するに本来、買う側・借りる側が負担すべき手数料を全額売り主、貸主がこの代理業者に支払うということになるんです。(新築分譲マンションとかで仲介手数料が発生しないのはこれが原因です)
しかし、これも「代理の立場」だってのに普通に仲介手数料を請求するケースがあるらしくこんな「代理」というケースに出くわしても「ん?代理って売り主とかと同じじゃね?」とツッコミ入れれば「あ、そうでした(テヘ)」と撤回してくれるはずです。
さて、
そんな仲介手数料の解説はこのくらいにして、、、ここからはちょっと実戦的なお話しを書きます。
これは実需物件とかで多そうな話なのですが、一つの物件を「売り主」・「媒介業者」両方が同時に売り出しやってるケースってのがあります。
要するに自社でも売り主として販売活動やってるけどあくまでもそれはレインズ上だけでの話で実際の客付けは面倒なのでレインズ見て飛んできた客付け業者全部に一般媒介として媒介をお任せしてるパターンなのですが、ご存知の通り、このレインズは一般の非業者の方は見れません。(ついでに言っちゃうとレインズに加盟していない宅建業者も見れません)
となるとレインズを見えない人からするとこの売り主が「売り主物件」として売り出しているのはわからないわけでこれを利用した客付け業者が「未公開物件」として「媒介」と称して売り出してるというカラクリなのですが、レインズ上に売り主が堂々と売り出してる以上、デキる買主さんであればこんな物件を媒介で出してくる業者から買うのではなく直接売り主に飛び込んだ方が手数料も節約でき、売主もこの媒介業者に手数料を払わなくて済むのでその分も値引きが期待できます。
さらに言えば、売り主側からすると直接買主が見えるし、買主側も売り主と直接アクセス出来るので媒介経由でありがちな不確実な説明などのやりとりにならずにより正確な物件情報が得られるのでメリットもいっぱいです。
これには媒介業者から出てきた物件情報を見て「この物件がどんな種別の物件か?(要するに売主が業者か?非業者か?って部分です)」と真っ先に把握する必要があるのですが、このケースではあくまでも売り主が宅建業者でないと話になりません。(非業者では売り主としてレインズ登録できませんからw)
媒介業者に「この物件、売り主さんは業者さんですか?」と聞けば教えてくれますがこれを媒介業者に聞いてしまうと売り主に直接飛び込んだ際に「あ、そういやこの買主、、問い合わせ時に売り主が業者かどうか聞いてやがったな」と思い出されて逆襲に遭うことがごく稀にあります。(大抵、「あ、こいつ、、ウチが出した物件なのにウチを飛ばしやがったなー!!」とブチ切れられますw)
そうならないためにも物件出してきた業者にメールで問い合わせなどの返信する前にこの「物件の種別」を必ず把握するようにするのが鉄則になってくるわけです。
送られてきたメールにうっかり返信しちゃうと相手は「買う気がある顧客」と判別しロックオンしてきますのでそれを表明する前にこの作業をやっておくと万一、この業者を飛ばして売り主業者に飛び込んでもほぼバレません。(なんか言われたら「これ、他の業者からも来てたよ」って言えば大抵の業者は諦めますw)
一番確実なのは知り合いの業者にレインズで「元付けチェック」と称して「あ、これ売り主物件だよ」と探して貰えばいいだけなのですが、近所であれば現地に行くのも手です。(売り主業者物件ほど現地看板とかが置いてあること多しですw)
また登記簿謄本ではなく取得費用が安い「登記事項要約書(一回数百円です)」で所有者をチェックすれば所有者が業者かどうかくらいすぐわかります。(出てきた法人名でググれば宅建業登録されてるかくらいすぐわかります)
と言うことで売り主が業者であることがわかればあとはその業者に飛び込むまでです。
ワタクシの場合、こう聞きます。。
「あのー、、御社が売主の物件で〇〇というのがあると思うのですが、これって直接買付け入れてもいいのでしょうか?それともどこか他に媒介先があるんでしょうか?」←あくまでもどこの仲介さんに問い合わせればいいのかって感じの聞き方がGOODですw
で、直接エンド客に売るのはめんどくさいと思ってる売り主だとぶっきらぼうな口調で「あ?この物件どこで話を聞きつけたの?」なんて聞き返してきます。(こうなると直取引の可能性は低くなりますw)
しかしレインズに掲載している売り主さんだと大抵、「あ、ウチで直接でもOKっすよww」なんて軽く答えてくれますのでこの答えが丁寧であればあるほどお得な直取引の可能性が広がります。
この時点で最初に物件情報貰った媒介業者はまさか売り主に直接飛び込んでるなんて夢にも思ってないし後でバレても「他からも情報来てましたよ」と言ってしまえばそれまでです。(だってレインズに売り主が情報乗っけてれば「いや、それはウチ独自の情報だからそんなことありえん」なんて言えませんからwww)
あとは通常の取引通り話を進めて仮に売り主業者から仲介手数料を請求されても「え?それって業法違反、、(以下略)」と言えば終了です。(ま、そもそもこの時点でドヤ顔で仲介手数料せがむ売り主なんかいませんけどねw)
要するにここで覚えて欲しいのは仲介業者と売り主ってこんな関係で結ばれてるってこととその結ばれてる線ってのは意外と脆弱だってことです。。
本日のブログネタは少々初心者っぽいネタですが、
こんな不動産取引の裏側を知ってると購入や賃貸の場面で多少なりとも武器になりますのでこんな話もちょっと覚えていていただけると幸いでございます。。。
こういう些細な積み重ねが大事だと思うんじゃんw