家賃下落の仕組み(その2)

今日はこのあとトリキ出陣なんですのw
こんにちは
さて、昨日のブログネタ、、
あまりにネガティブ過ぎて気持ちが悪くなった人やお腹が痛くなっちゃった人が続出したようですが、、、
今日も懲りずに昨日の続きです。(だってこれが現実ですもの・・・みつを)
昨日のブログ記事で書き忘れましたが、、、
「賃料設定って設定する人の立場が違うと設定金額が違う」ってご存知ですか?
特にまだ埋まっていない新築物件の賃料設定って不思議なものですが自力で建てる場合と業者が建てるのを買う場合とで賃料設定が違うんです。。。
理由は簡単です。
自力で建てる人はそのまま賃貸仲介さんに相談するので仲介からしたら「確実に貸せる」賃料計算してきます。一方、業者売りの場合、「ここまでならあり得る高さの賃料だろう」と賃料相場の一番高い数値で賃料計算してくるのでこの時点で賃料差が生まれるんです。
参考までに都内だと1LDKクラスの新築でその差は7000円/1部屋くらい違ってくるのでこれが20部屋だとしたら
年間賃料で168万円くらい変わってきます。(利回り換算で1%くらい平気で動きますw)
想定利回りってホント、アテにしちゃダメですよってことを言いたいので書きましたが新築ってある程度収支予測を立てて計画してるわけですからここが思いっきり違うとその新築物件の将来・・・オーナーにとって相当な負担になるはずです。。。
この部分、ホントに大事なので細かく書きますが
建築に利害関係の無いただの賃貸仲介さんは仲介手数料を確実にゲットするため間違っても高い賃料計算で見積もりしてくれません。(オーナーが納得するであろう最低賃料を提案して来ます)
もちろん、賃料設定の根拠になる資料を提示したうえでの算定なので間違っていないように見えますが実際には「もうちょっと高く貸せたかな?」ってケースの方が多いです。
逆に建築に利害関係のある賃貸仲介さんは(要するに建築業者さんとヒモ付きになってるところ)すでに建築で利益が出てますので極端な話、埋まろうが埋まらなかろうがどうでもいいんです。
それより新築物件が最初の企画段階の賃料で貸さないといけないですからどんな手段を使ってでも一旦満室にしようとします。(新築段階で広告料ってのも変な話ですけど広告料と言う名目のニンジンを多用したがるのもこっち系の仲介さんが多いです)
この満室の状態で未来永劫に続くなら言うこと無いですが、当然入退去があります。(特にシングル系住居は入れ替わりも激しいです)
問題はここからです。
次回募集時も同じ設定家賃で埋まればその物件はある程度先行き良好です。
入退去時の原状回復費用でボラれないよう注意しつつあとは滞納しそうにない入居者の審査だけ注視していればいいだけですからw。(こういう新築買えた人はそこそこうまく言ってますからまずはご安心くださいw)
逆にその設定賃料で埋まらない場合。。
この時点で新築時に想定していないことが起き始めているんです。。。
昨日もちょっと書きましたが、
おそらく近隣に新たなライバル物件が出現しているか、既存のライバル物件が賃貸の条件変更をしているはずです。(それか単に賃貸需要が無くな、、、いや、、なんでもありません。。)
賃貸物件の在庫が増えてくるとそれぞれのオーナーが対策を講じ始めるのが資本主義社会w。(弱肉強食なんですよ)
ワタクシの過去の事例ですが小田急線の世田谷エリアの某急行停車駅周辺でリーマンショック後一斉に賃料の値下げ合戦が勃発したことがあります。この時は賃料を下げるだけでなく敷金ゼロ・礼金ゼロ政策を取ったオーナーが多く、何が起こったかと言うと既存のシングル層が「引っ越し負担が無い」って理由で同じ町内なのに移住事例が多発しました。
この時はワタクシ、ビビりました。。。
当時20㎡くらいのワンルームで月70000円の家賃がこの一連の騒動で10000円以上暴落してしまい25㎡くらいの部屋でも5万円後半くらいで借りれる状態になりしかも敷金礼金ゼロなんて言われたら「もうちょっと広い部屋に住みたい」ってニーズとぴったり符合しちゃうんですからw。
なんでこんなことが起こったかと言うと地元の仲介さんの影響によるところが大きいです。
地元の仲介さんは大体そのエリアの物件の空室状況はほぼ把握しているので全体的に空室が増えてくればオーナーに「賃料下げましょう、じゃないと申込みすら入りません」って言って賃料の値下げを迫るんです。
この時は地主系の大家さんがその仲介さんの言うことを鵜呑みにして平成元年築のワンルームで衝撃の49800円部屋の広告を出してしまい結果的に周辺のオーナーが動揺して一斉値下げが起きてしまいました。
「100年に一度の金融危機」なんて時期でしたからこの時のオーナーの心情も理解出来なくはないですがこの時の値下げ騒動で一度落ちた賃料、、未だに元の賃料に戻っていません。
この時、一斉値下げの対象になったのが昭和60年代から平成3年くらいまでの木造、S造系物件。。
ご存知の方も多いと思いますが実はこの年代の建物が今、一番物件的に多い物件です。
この当時はバブル時期で金融機関が土地を持ってるやつのところに日参して「融資するからアパマン経営しましょう」と言ってた時代。
「ほー、、寝ててもお金がジャブジャブ入って来るのか・・」
なんて思ったかどうか知りませんけど当時のアホみたいな高額建築費でも果敢に新築してアパマン経営したもんです。
とにかく数年間でたくさんの新築物件が建てられて右肩上がりで上がっていくであろう地価(当時はみんなそう信じてました)の恩恵で今の「光速投資」みたいな生やさしいものではなく当時は「ハイパーギガ光速投資」状態でした。
その後は皆さんもご存知のように「バブル崩壊」、「失われた10年」、「不良債権処理」、なんて感じで当時のオーナーは激流の中に翻弄され生き残った人は生き残りましたが・・・どちらかと言うとダメだった方が多いんじゃないでしょうか。(うちもこれで2400万の区分マンションがわずか20年で300万の価値になっちゃいましたからw)
さて、この状況、、
遠からず今の状態に似てると思いませんか?
・プレーヤーの増加
・融資ジャブジャブ
・建て替え需要増加
・建築費高騰
ここ数年のマーケットを定点観測してると「もしかしてまた同じこと繰り返してんじゃねーの?ww」って気がしてなりません。
参考までにバブル崩壊後の平成5年くらいからファンドバブルの平成15年くらいまでの新築物件ってホント少ないので今、都内で勃発している築浅物件の争奪合戦、、高値売買されているのも頷けます。(追い討ちを掛けるように団塊世代の相続問題で利回りなんかよりもまず物件ありきって風潮も高値を増長してる気もしますが)
そんな時期です。
ま、不動産屋のワタクシがこんなこと書いたら元も子もありませんが正直、今の状況下で右も左もわからない素人が不動産投資やるのは危険すぎじゃないかと思います。
そりゃ多少失敗しても本業もあるし生きていくだけの蓄えがあるというならいいですけどFXみたいにレバレッジ調節を間違えたまま突っ走るのだけはいけません。。(それは投資じゃなくってギャンブルです)
お金を増やすのって大切だと思いますがまずは減らさないこと、、
投資やって種銭減らしちゃ元も子もありません。。
融資が出る物件が必ずしもいい物件であるわけでないですし(銀行が不動産に素人であるって言う前に最近は不動産屋でも素人みたいなのがいるくらいですからw)どうしてもやりたいって言うならまず「いつでも換金できる物件」ってのを探してみてください。
なーに、、
そんなに難しいことじゃありません。
賃貸需要が多種多様なエリアでちょっと他人よりリノベ技術があればなんとかなりますからw(いつも言ってる「素人から買って素人に売る」が実践できれば大丈夫です)
あ、あと最後にもう一つ。。
ワタクシ、長い不動産屋人生で学んだことで一つだけ間違いないってことがあるんですが、
それは不動産投資で成功出来るヤツは
「臆病で心配性なヤツ」か「単に強運なヤツ」の二つのタイプしかいないんじゃないかと。。。w
なんか今日もネガティブ全開ですみません。。。

しかし、明日に続くんじゃんw