人を見たら泥棒と思え。。。

来週の決済準備完了なんですのw(これで明日は安心してお休み取れます)
こんにちは。
あまりブログで本業である売買の話をするのは守秘義務もありなかなか書けないのですが今日は少しそんな話に触れてみたいと思います。
よくセミナーとかでしゃべってる話で
「あちこちから物件概要書が送られてくるけど大体の概要書は見ただけでゴミ箱行き(もしくは裏紙として使用)」
って話していると思います。
マイソクレベルの資料だとほとんどその運命を辿るのですがたまに気になる物件も当然舞い込んできます。
しかし、そういう物件はモノにもよりますが業者が仕入れ用に検討もしているのでほとんどのケースでうちが動く前に決まってしまってます。
ひどいヤツになると概要書が来た瞬間にネットで謄本あげると先週登記完了(要するにとっくに売買されてましたってオチですw)なんてこともあり、「をを!!!これすごいいい物件じゃん!!」ってぬか喜びして直後に悲しみのどん底、、なんてしょっちゅうです。
元々、業販卸みたいな物件ばかりやってたのでこういう話にはすっかり慣れっこなんですけどこんな生活を何年もやってるとどんな話でも最初はすべて疑うことから始まってしまいます。
もはや「人を見たら泥棒と思え」ってレベルです。
「なんでこんないい物件なのにどこもスルーされてうちみたいな弱小仲介に話が回ってくるのよww」
いい物件がワタクシに舞い込んでくるといっつもこういう風に考えちゃうあまのじゃくな性格、、そろそろ叩き直さないといけないのかもしれません。。。。
特に不動産業界は多額のお金が動く商売。。
騙して物件を売りさばこうって輩も少なくないですから「どんな話でもまず疑ってかかれ」って話、あながち間違いじゃないと思います。
今日の午前中の決済。。
今日決済した物件もそんなところから始まった物件でした。
物件の出所は普段あまり収益物件を仲介していない業者さんです。
こういうところから物件が出てきたらワタクシ、、やっぱり初動段階では疑うところから入ってしまいます。。(Tさん、、ごめんなさい)
物件のスペックは書けませんが話だけを聞く限りでは、概要書を見るまでもなく速攻で買い付け入れてもいいってレベルです。(こういう物件、ワタクシのところでも3年に一度くらい来ますが大体、気が付いたときには次の登記が入ってますw)
「そんないい物件が本当にあるならとっとと住所を教えてください!!」って懇願するのですがTさんも「まだ専任媒介取ってないからそう簡単には教えられない」ってこっちが「抜き」をやらかすんじゃないかと疑ってきますw。
やっと住所を聞き出してその足で謄本をあげます。
蛇足ですがこの謄本、、ネットで簡単にゲット出来るんですが住所がわかっても地番という番号がわからないと謄本はあげられません。地番を調べるには地番が載ってる地図(通称ブルーマップ)ってのが必要なんですが所有者を調べるくらいならそんなの見なくても簡単に調べられます。
目的建物がわかれば物件所在地の法務局に直接電話して「すみません。。住所から地番を知りたいんですけど」って聞けば親切に教えてくれます。(これはタダで何回でも教えてくれるのでワタクシ、最近はブルーマップなんて見たことがありませんw)
枝の地番がわかれば公図を先に取ってあとは芋づる式にどんどん謄本をあげていけば全体像が見えてきます。
で、謄本を見ると・・・ややや!
所有者さんはその土地を元々持ってた地主さんの名義のままです。。
権利変動していないからって安心すると実はすでに「契約済で決済待ち」っていうこれまた悲しいオチが待ち構えていることがあります。
ワタクシが「これすげーなww」って思うくらいの物件ですからこの物件の話を知りえたらどんな業者だってすぐ動くでしょう。。
実際、今日の決済の時に売り主さんが「実は契約した後に他の業者さんから「なんでうちに相談しなかったの(怒)」って言われたんです」とか言ってました。。
今回はたまたま仲の良い仲介さんがいの一番でうちに話を持ってきてくれたのでうまくいきましたが数日遅かったらこの物件も「契約済で決済待ち」ってオチだったと思います。
まぁ、そんな物件だったので銀行にもワタクシ、自信満々で審査に回してもらいました。(「この物件で融資付かなかったらどんな物件に融資出すんだよww」って勢いですw)
しかし、、逆もあるってことワタクシ、今回初めて知りました。。。
銀行「なんか話がうますぎるんですよ。。この物件、、何か裏でもあるんじゃないですか?」
ちょうどこの物件を審査に出してる頃、この銀行さんも融資方針を大きく変更した時期でした。(悪い方向にですよw)
たまたまうちに来た業者さんが「いやー、、参った。。先週までジャブジャブ出してたのにいきなり融資の蛇口締められて通りそうだったお客さんがみんな死んじゃったよ。。。」」とか言ってた頃です。
そんな時だからこそ確実に融資が通る(だろう)物件を持ち込んだのに「話がうますぎる」って疑われるとこの疑いを払しょくすることからやらないといけません。。
事実、ワタクシ、この銀行に何回も呼び出されて「尋問」を受けましたwww。(もう最初っから疑ってましたw)
長いこと不動産屋をやってますがこういうケースは初めてです。
いつもセミナーでしゃべってるようなマシンガントークを炸裂させて(口から泡吹くほどプレゼンしましたw)やっとこの話が嘘じゃないってわかって貰い無事に決済することが出来ました。
融資は話の立てつけがしっかり出来てないと逆に疑われる・・・
今回の物件、、「実は地震で建物が傾いてるから安いんだよ」とか「実はRC造に見えるけど木造なんだよw」とかのオチがあれば銀行の担当者さんも疑うことはなかったんでしょうけど都内でも3年に一度くらいならこういう物件は出てくるもんです。
今回のケース、、「物件の出所」、「売り主さんの性格」、「邪魔が入っても毅然と断ってくれた仲介さん」、「うそっぽい話を真剣に本部決済に稟議書作ってくれた融資担当者さん(w)」などの要因がたまたまうまくかち合って出来た案件です。
ひとつでも欠けたら今回の物件なんて決済まで持っていくことは出来なかったでしょうし、、ま、日頃から真面目にやってるワタクシがいるからこそできた話じゃないかと。。(思い上がりも甚だしいオオカミですw)
何より今回、一番すごいのはこの物件がまだ概要書も無い状態の時にワタクシの口頭説明だけでズバーンと買い付け入れてきた買主さんでしょうw。
「狼さんがいいっていう物件なら黙って買い付け入れます」
こんなこと言われると生真面目に不動産屋やってきてホント良かったと思います。
こういう取引が出来るならワタクシ、このまま死ぬまで不動産屋を続けたい気分です。
普段はこういうこと書くのカッコ悪いので書きませんが今日だけは特別に書かせていただきました。
長くなりましたが今日はこの辺で終わります。
では皆さん、よい週末を。。。

でもいつもこんな都合よくいかないのが不動産なんじゃんw