連休の谷間だし誰も読んでなさそうなので毒吐いてみました。。。

今日も頑張って更新するんですのw
こんにちは。
さて、本日は連休の谷間。。
洗練された大家さん達は連休中、ぶっ通しでシンガポールだとかハワイだとかに行ってるらしいですがワタクシ、、明日から入居される方の部屋の引き渡し業務もあり出勤してました。。(ワタクシ、このかた不思議とGW中ってあまり休んだ記憶がありません)
それが終われば暇なので会社でたまりにたまった読者さんからのメールにお返事してました。
結構質問系のメールが多いのが最近の特徴なのですが、過去に「新築系ネタ」を書いたこともありこの手の質問が多いです。
一番多いのが「業者系新築の是非」のお話。
前にこの話をブログでも書きましたがちょっとおさらいして再度書いておきます。
新築物件のメリットは買ってしばらくは手が掛からないのでCFが回るなんて言われてます。
たしかに新築ですから設備などの更新も無く家賃収入はそれなりに残ります。
また新築なので銀行融資も引きやすく2%を切る金利でオリッ〇スさんとか某地銀さんあたりのアパートローンも使えます。
しかしその物件がどのようにして業者が新築売りするのかをよーく考えてから買い付け入れても遅くはありません。
この話、よく最近のセミナーでもお話ししますが、業者さんがこんな土地に新築アパートを仕込むときに見ているのは「出口での客付き」です。
ところで土地で一番高値が付くケースってのはおわかりですか?
答えは実需戸建用地です。
実需ですから利回りなんて気にしませんし買う人の気持ちというか周辺の相場感と土地の希少性で値段が付いていくので「こんな金額でも欲しいものは欲しい」と言う人がいる限り今後の「アベノミクス効果」と「消費税が上がるかも特需」でバブルになる可能性すら秘めています。
ただ家の大きさにも限度があります。
一家族の標準的な家というのは3LDKか4LDK(床面積で85㎡から120㎡)くらいです。
この建物が入る土地であればよほどの値段間違えか僻地にでも建てない限り売れていきます。
さて、そんな中、
都内およびその近郊で40坪(60/200と想定)の土地があったとします。
この規模ならこの土地は建売業者が真っ二つにぶった切って20坪のロットで戸建分譲します。(だって一番高く売れますもん)
しかしこの土地の接道間口が3.8mだったら・・・どうでしょう?
ここで久しぶりのお絵かきエディター登場です。

久しぶりなので相当ヘタクソになってますw
接道義務は2m以上ですからこれだとこの土地は2つに切れません。
都内近郊だとこんな40坪の土地になると土地・建物込みで1億付近まで金額が張るので戸建屋さんもそうそう買い付けは入れて来ません。
そうなるとこの土地の値段は下がります。(モノわかりの早い方はここですでにこの土地がグズ土地であるというのがお分かりかと思います)
でもロットがロットなので相当金額が下がらないとやっぱり戸建屋さんは買いに来ません。
こういう土地に業者さんは新築物件を仕込むんです。。。
そこで新築アパート業者さん(以下アパート屋さん)の出番です。
アパート屋さんはここでボリュームチェックやります。
ボリュームチェックってのはこの土地になんぼの容積の建物が建てられるのかを先に調べるってことです。
建ぺい/容積率が60/200だからと言ってもそのボリュームが入るとは限りません。
建築基準法すらよくわかってない仲介さんから物件を買うとひどい目にあうってのはこれのスキルがないからです。
ま、大体値段が安い土地ってのは思うように容積が食えないから安く売りに出てるんですが(業者さん、そんなの先刻承知で売りに出してますw)アパート屋さんはとにかく部屋がどんなだろうと見た目さえ整ってればその部屋割りで想定賃料を弾きだして収支を計算します。
またこのエリアはどう見てもワンルームの供給過剰だってのにあえてワンルームで勝負してくるのは部屋は小さく区切った方が高く貸せるからです。
なぜ需要のありそうなDINKSとかをやりたがらないかといえばそんなの作っても賃料稼げません。。業者さんは各地域のアパートマンション条例にらめっこして効率よく建てられそうな物件を考えます。
新築時に業者さんが考えるのは「とにかく想定賃料になるよう広告費でもなんでも出して想定家賃で部屋を埋める」ってこと。
普通の大家さんが新築を建てたときは多少安くても部屋を埋めてしまおうと考えるんじゃないかと思いますが収益物件を新築で売る時はこの想定利回り通りじゃないと売値に影響します。業者さんはここは必死に実賃料になるように仕掛けてきます。
で、売ったあとの瑕疵担保も新築ですから大したことありません。瑕疵担保の2年間くらいなら何事も起きませんからよほどの事でも無い限り損害賠償なんてケースはありません。
しかしこんな調子で部屋を埋めてますからどこかでおかしくなってくるのは必至。。
これはワタクシの経験則ですのですべてとは言いませんが、買った時は利回り9%でもふた回りもしないうちに7%前後まで利回りが下落するのって大体この新築時の無茶な家賃設定が原因です。
あとアパート屋さんが建てた新築の怖いところは最低限度の設備(もしくは見た目豪華そうに見える設備)で部屋を作ってるところです。
なぜならば、この新築ですが実は賃貸のお客さんの方にはあまりベクトルは向いてません。
ベクトルが思い切り向いているのは買主さんにです。。。
売って終わりの新築投資物件ですから買主さんさえ満足すれば部屋なんてどんな風に作ってもいいんです。
だから内装も見た目はそれなりですが(新築だからよほど目が肥えてないと「これって変だよね」ってのはわかりません)「この部屋でベッドはどこに置くのよw」とか「これだとすぐ結露しそうなんじゃんw」なんてのは貸してみないとわかりません。
販売価格1億として想定利回り9%の木造アパートを建てるには業者利益を考えると建築費は8000万くらいでやらないと意味がありません。
そうなんです。ここですでに2割程度は抜かれてしまうことになります。
「そんなの商売なんだから当たり前なんじゃんw」ってご意見もあるでしょうけどもう一つ厄介なことがあります。
S造とかRCなら融資期間も木造より長く取れるので新築で多少やらかしてもなんとかリカバリー出来ますが木造の築10年ってS造、RC造と比較してなぜか見た目の劣化が早く見えちゃうんです。。
また、木造はアパート表記しか出来ません。
アパートとマンションの表記の違いで家賃下落率も違いますし入居者属性でも築10年過ぎるあたりから段々怪しくなってきます。
「じゃあ、10年くらい保有したら出口戦略すればいいんじゃんw」ってご意見が聞こえてきそうですが10年後に今のような融資姿勢だったら買い付け金額は相当低いものになるはずです。(収益なんだから買主だって利回りで買うでしょ)
「いいんだよ、、最後は土地売りするから、、、」なんて言ってる人。。いませんか?
プロでも難しい追い出し、、そうそうできる人っていないものです。。(机上の理論じゃ出来るかもしれませんが実務は相当困難な道が待ってるんです)
まして最初の方で書きましたがこの土地、いわゆる再建築にはロットの大きい土地です。
そんな土地を見つけてアパート屋さん物件を仕込んでいるってのを忘れちゃいけません。
経済情勢がおもいっきり変化して50坪くらいの土地に家を建てるような人種が増えていれば問題ないですが、、まず無理でしょう。昨今の普通住宅用の融資の上限は1億までですから。。
こんな業者系新築物件を買う時にはその物件がどういう理屈で建っているのかを判断する必要があります。
・前の所有者がどういう売り方をしてどこが買ったのか?
・建ってるプランがその土地に対して競合だらけになってないか?
・もし手放すことになったときこの物件、いくらで売れるのか?
相続とかの節税対策でこういう物件を買う人も多いのですべての人にこういう物件は買わない方がいいとは言いませんがCF目当てで買う人。。僭越ではありますがワタクシ、一つだけご忠告させていただきます。。
仮に1億で買ったその物件。。
売る時に7000万になってたら差額の3000万はそれまでに得られたCFそのものなんですよ。。。と。
業者さんから見て「そこの土地はアパート用地だね」って土地は大体そんなものです。。。
連休中であまりここ読んでる人もいなさそうなので今宵はひっそり毒を吐いて本日のブログは終了です。

こんなの楽○コラムに書いたら速攻削除されそうなんじゃんw